blue in green

leitica.exblog.jp
ブログトップ
2010年 09月 10日

写真展、有難うございました     Hiroshima

Leica M4
Summicron 50F2

b0160190_3222375.jpg


写真展、終了しました。
来場して下さった皆さまに
写真を、じっくり見ていただき、
そして感じていただき、
良い写真展が出来たと思っています。

コスモスインターナショナルの
新山洋一社長さんはじめスタッフの皆さま
そして来場してくださった方々に
心より感謝いたします。

2010年9月12日


『祈り・願い 子から子へ 2010』
~8月6日の広島平和記念公園~

 広島は被爆から65回目の原爆記念日を迎えました。
今年の8月6日の日差しは例年より強く、平和公園の敷石に映る人影の輪郭も濃く感じられました。このように強い日差しの中、平和公園には多くの人が手を合わせに来ていました。
その気持ちは、かつて広島の誰もが抱いていた原爆を落としたアメリカが憎いというものではなく、亡くなった人々に安らかに眠って欲しいという祈りと、戦争が二度と起こってほしくないという願いであると私は信じています。
私は以前から原爆で弟(当時旧制中学1年生)を失った母と一緒に、8月6日の平和公園を訪れていましたが、20世紀の終わる2000年からは、毎年、カメラを持って平和公園で祈りを捧げる人々を撮影するようになりました。
昭和時代には“原爆について触れて欲しくない、思い出したくない”との思いが強く、テレビで原爆のニュースや特集を見て「ほっといて欲しいんよねぇ」と、独り言のように口にしていた母や、その世代の人々が年老いていくにつれ、自分達の「地獄を見た」体験を後世に伝えなくてはならないと思い始めているのが、私にも感じられたからでした。
それは決して、誰が悪いと訴えることではなく、原爆を使った戦争を繰り返してしてはいけない、ただただ平和であって欲しいという気持ちからに他なりません。
 今年、母は7月中旬に足を捻挫し、平和公園に手を合わせに行くことが出来ませんでした。毎年8月6日には、どんなことがあっても平和公園に行かないと気がすまない母にとっては、辛いことだったと思います。
 平和公園で出合った88歳のおばあさんに、そのことを話すと
「ええ、良く分かります。私もあちこち痛いのですが、今日だけはどんなにしんどくても平和公園に来ないと気がすみません。毎年、今年が最後になるかも知れないと思って来ています」
と、涙を浮かべながら話していました。
そのおばあさんは、妹さんを亡くし、ご遺体にも会えていないそうです。8月7日から12月まで広島中を捜し歩き、弟の遺品すら見つけられなかった母と同じでした。私はおばあさんと別れる時に、「来年も必ず平和公園にお参りに来て下さい」と言いました。
 母は平和公園から帰った私に「今日は有難うね」と、静かに言いました。それは他の誰でもなく、息子が手を合わせに行くことが母の救いとなったのだと思います。
 この10年、一人で平和公園に来るお年寄りの姿は確実に減っていると思います。杖を持ちゆっくり歩く姿も増えました。慰霊碑前の少しの階段でも被爆体験のある世代には辛いものだと思います。こうして繰り返されてきた祈りの姿と心を、子である私達から孫達、そして後世に伝えていくのは私達の勤めのように思えるのです。
 テレビで報じられ、大勢の人が集まる式典には、広島の人には行きたくないと思っている人が少なくありません。しかし、その騒がしい式典の局地局面には、“心を込めて静かに平和を祈る人”の姿が有るのです。その姿を心のどこかに残していただけると幸いです。


・展示は前半が終戦60年の2005年の写真展から。後半が今年8月に広島で開催した写真展から選んだものです。
・小学生以下のお子さんには「平和を祈る姿なんだよ」という感じでお伝え下さい。
・今回、コスモスインターナショナルの新山洋一代表取締役社長のお父さまで、尊敬する写真家・新山清(1911-69)様の広島の写真と一緒に展示出来ましたことを本当に光栄に思っています。
[PR]

by leitica | 2010-09-10 03:23 | Summicron50F2 | Comments(16)
Commented by タオル at 2010-09-10 22:34 x
はじめまして。
いつもブログ楽しく拝見しております。素敵な写真ばかりで見るたびに勉強になります。

本日個展に伺わせていただきました。
ギャラリーの雰囲気も相まってとても心地よい空間でした。
午前中に伺いましたので残念ながらお会いすることができませんでしたが、奥様(らしき方)ともう一人がいらっしゃるだけの静かなギャラリーで拝見することができ、それはそれでよかった気がします。
これからも素敵な写真を見せてください。
Commented by uiti6 at 2010-09-10 22:47
こんばんは。
先日はありがとうございました。本当に良い写真展でした。
特に今回blogでアップされている写真は深く心の中に突き刺さった一枚です。会場を後にしても余韻に浸れるような写真展はなかなか少ない中で、今回はたっぷり浸ることができました。

Commented by leitica at 2010-09-11 03:32
タオル さま
写真展、有難うございました。
じっくり見ていただいたなら、本当に嬉しいです。
いらしたのがお会いできる時間なら、良かったのにと思いました。
それから僕の奥様らしき女性というのは、
たぶんなのですが
妻の知人で、僕も良く知っている人です。
編集者とページのデザイナーさんだったので
写真を見る目はある人だと思います。
これからも僕の写真が
若くセンスを感じさせてくれるタオルさんに
少しでも参考になればいいと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
Commented by leitica at 2010-09-11 03:36
uiti6さま
先日はわざわざ有難うございました。
暑い中、来ていただき本当に嬉しかったです。
たとえ写真一枚でも、どなたかの心に残ってくれたなら
今回の写真展は開催してよかったといえると思います8
Commented by baku-g at 2010-09-12 00:17 x
子供らの明るい笑顔に救われました。
そして、とても勉強になった素敵な夜でした。
ありがとうございました。
またぜひご一緒させてください。
Commented by leitica at 2010-09-12 01:25
baku-gさま
今日は本当に有難うございました。
是非またご一緒しましょう。
Commented by the_recollection at 2010-09-12 21:57
こんばんは。
本日伺わせていただきました。
お知り合いの方とお話中でしたので感想を申し上げることが出来ませんでしたが、
祈るという行為の美しさとモノクロームの美しいトーン、堪能させていただきました。
素晴らしい写真展をありがとうございました。
Commented by leitica at 2010-09-12 22:55
the_recollectionさま
お越しいただいて、本当に有難うございます。
でも、お話できなかったのが残念です。
声を掛けて下さればよかったのに・・・。
気を使っていただいて申し訳ありません。
でもいつか機会を作ってお会いしましょう。
もし、どこかでお会いしたら遠慮なく声をおかけ下さい。
写真をじっくり見て下さり、本当に感謝しています。
Commented by marierit at 2010-09-13 07:44
素晴らしい写真展でした。
一枚一枚、心にジ~ンと来ました。
ありがとうございました。 
Commented by yukko at 2010-09-13 14:30 x
昨日は、長々とお邪魔させていただき、
ありがとうございました。
最終日の終わりにバタバタ・・・・してしまって。(^^

10年間の祈りの姿と、、新山氏の50年前の広島、
何周もまわって、逆に歩いたり、
いろいろと感じることがありましたが、
上手く言葉にならず、伝えられず、すみません。

次に、お会いする機会に、
またいろいろとお話聞かせて下さい。
3月に・・・会えますか??(^^


P.S.
↑↑myブログ・・・放置中です。
写真の持ち帰りやら、家パソの故障やらで・・・(凹)
Commented at 2010-09-13 18:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by leitica at 2010-09-14 02:27
marieritさま
暑い中、来場頂いたうえ
じっくり見ていただき、
本当に有難うございました。
また写真の話をいたしましょう。

Commented by leitica at 2010-09-14 02:31
yukko さま
暑い中の来場、有難うございました。
写真もじっくり見ていただき嬉しかったです。
3月のPeace展是非頑張って参加して下さいね。
僕は帰郷できるかは全く分からないのです・・・
済みません。
Commented by leitica at 2010-09-14 02:33
鍵コメさま
コメント有難うございます。
いつか見ていただければ嬉しいです。
ブログ、了解しました。
楽しみにさせて頂きます。
Commented by nikon_leica at 2010-09-14 17:36
写真展、お疲れさまでした。
深く心に響く作品を拝見させて頂き、ありがとうございました。
人の願う姿の尊さ、大切さ、それを繋いでいくことの大事さを写真から学び、気づかせて頂きました。
今、このタイミングでleiticaさんの写真展に伺えたことが、自身にとってとても幸せなのだと感じました。
感謝しています。
1枚1枚から感じたたくさんの想い、自分なりにも今後の糧にしたいと思います。
そしてまた、どこかでお会いしてお話し等出来ましたら幸いです。
Commented by leitica at 2010-09-15 02:07
nikon_leicaさま
じっくりと胸に刻んでいただき、
こちらこそ感謝いたします。
また是非お会いしましょう。


<< 車窓より      Dresden      写真展の案内 >>